【現役保育士が解説】子どもが夜寝ない時の対処法!保育園のお昼寝との関係も解説

寝ている赤ちゃん 保育

子どもがいる方は、保育園から帰ってくるとすぐにご飯の支度をして子どもに食べさせ、お風呂に入って、寝かしつけ、その後は残った家事をやる。毎日バタバタでゆっくりする時間がありません。ほんとに大忙しです。

すんなりご飯を食べてくれたり、スッと寝てくれた日はホッとしますよね。でも、そんな日ばかりではありません。21時に布団へ入りトントンしても全く寝ず、途中遊び出したり……結局眠ったのは23時なんて話はよく聞きます。

大変ですね……。

この記事では現役保育士かつ子育て中の筆者が

  • 子どもにお昼寝が必要な理由
  • 子どもが夜寝ない4つの理由
  • 子どもが夜寝ない時の対処法6つ

について詳しく解説します。

子どもにお昼寝が必要な理由

子どもがお昼寝をするのはなぜでしょうか。大きく分けて2つの理由があります。

  • 生活リズムを整えるため
  • 日々元気に過ごすため

ひとつずつ見ていきましょう。

生活リズムを整えるため

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」によると1〜2歳児は11〜14時間、3〜5歳児 は10〜13時間の睡眠(昼と夜の睡眠の合計)が必要とされています。

参照:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023

生まれたての赤ちゃんは昼夜関係なく寝たり起きたりを繰り返します。それがだんだんとまとまって寝ることができるようになってきて、1歳ごろになると昼食後に2〜3時間寝るようになります。

ところで、保育園での子どもたちは本当によくがんばっています!

先生の話を聞き、行動したり、自分のことは自分でできるように練習しています。全身を使って遊んだり、時には友だちとぶつかり合い喧嘩になって自分の思い通りにならずイライラすることもあります。逆に、友だち同士で仲良く遊ぶこともよくあります。

そして、午前中にしっかりと動いた体や、働いた脳をお昼寝で整えているのです。

その後はぐっすり眠っていても、15時頃に起こします。すっきり目覚めない子もいますが、時間が経てばだんだんと目が覚めてきます。気持ちよさそうに寝ているからといって、ここで起こさないと夜の入眠が大変です。

保育園では毎日同じ時刻に布団へ入ります。毎日の繰り返しで、布団へ入ることによって自然に入眠できる生活リズムになっていくのです。

日々元気に過ごすため

先ほども述べたように、午前中に子どもたちは身体や脳をたくさん使っています。起こしておくことは不可能ではありませんが、昼寝をしないと体力や脳が回復しないのでしんどくなってしまい、機嫌が悪くなったり、すぐに泣いたりぼーっとしたりします。

これでは日々元気に過ごすことはできません。保育園からの帰りの車や自転車で眠くて寝てしまい、夜眠れなくなる可能性もあります。

お昼寝をして、午後からも元気いっぱい遊べるようにしましょう。

ただ、3歳以上になるとだんだん体力がついてきてお昼寝をしなくても平気な子も出てきます。お昼寝をしなくても平気な子は布団へ横になりぼーっと休むだけでも大丈夫。ゆったりと気持ちを落ち着かせて午後に備えることが大切です。

子どもが夜寝ない4つの理由

子どもが夜寝ない理由には以下のようなものがあります。

  • 保育園のお昼寝の時間が長い
  • 保護者の生活習慣
  • 日中の刺激が強い
  • ゲーム機やスマートフォンなどの影響

思い当たるものがあれば改善すると寝るようになるかもしれません。

保育園のお昼寝の時間が長い

保育園でたくさん遊んでいるはずなのになかなか夜寝ない!どうして??もしかして保育園のお昼寝の時間が長いから?

そう思った時は、ぜひ遠慮なく保育士に相談して下さい。

子どもの年齢や保育園の規模(保育室の数や保育士の数)によって対応は違うと思いますが、まずは悩んでいることを伝えていただけると、一緒に解決策を見出せると思います。

保護者の生活習慣

仕事から帰宅し夜は子どもとゆっくりと過ごしたり、日中子どもといられない分、夜にみっちりスキンシップをする。子どもは大喜び!

とても素敵なことです!

スキンシップタイムの注意点として、ダラダラとのんびり過ごし、大人と同じ時間に子どもも就寝したり、子どもに言われるがまま、延々と遊び続けたりしないことです。

かといって、せかせかと早く寝るよう促されても寝ることはできません。子どもは思った以上に敏感です。部屋を暗くして、落ち着いて寝る雰囲気を作り出しましょう。

日中の刺激が強い

節分で鬼がやってきたり、クリスマスにサンタクロースがやってくる、運動会練習があった、遠足があったなど日中に脳が刺激されるとなかなか夜に眠れないことがあります。そのうえ、寝たと思っても夜中に起きることもあります。

いろいろな情報がぎっしり子どもの中に詰まっているので、大人が寄り添ってゆったりと話を聞くことで落ち着いて脳が整理されていきます。もしまだ喋れなくてもいろいろ感じていますので密着したり話しかけたりして落ち着く雰囲気を作れるとよいですね。

ゲーム機やスマートフォンなどの影響

寝る直前まで、ゲーム機やスマートフォンで遊んでいませんか。スマートフォンのブルーライトは脳を活性化させ、睡眠を妨げます。また、ゲームで興奮状態になると気分が高まり眠れません。

ゲームやスマートフォンがあると、子どもが一人で見ているので家事をすることができます。便利ですね。時間を決めて、ゲーム・スマートフォンをうまく利用し、寝る前にはなるべく見ないようにすると眠りやすくなるかもしれません。

子どもが夜寝ない時の対処法6つ

ここからは子どもが寝ないときの対処法を6つ紹介します。

  • 生活リズムを見直す
  • ベストな寝かしつけ方を見つける
  • 夕方に体や頭を使う遊びをする
  • 寝る前は激しい遊びをしない
  • 寝る前のルーティンを決める
  • 保育士に相談する

以下、詳しく説明していきます。

生活リズムを見直す

まずは生活リズムを見直してみましょう。風呂は早めに入る、朝起きる時刻を徹底するなどがあります。

人は体温が下がる時に眠気が起こりやすいそうです。ですので、お風呂は寝る直前ではなく、2〜3時間前に入るのが理想

とはいえ、帰宅が18時や19時になる場合、寝る3時間前に入浴するのは難しいと思いますので、できるだけ早めに入り、親子でゆったり過ごすことをおすすめします。

また、もし寝るのが遅くなっても朝7時ごろには子どもを起こすようにしてください。

起床時刻の少し前にカーテンを開けると太陽の光ですっきり目覚められるかもしれません。

無理やり起こして機嫌の悪いこともあると思います。朝は、大人も眠くて機嫌が悪いこともありますよね。大人も子どもも同じです。

ギャーギャー泣いて大騒ぎしていても、そっと見守っていると落ち着いてくることがあります。あまり話しかけないほうが良い場合もあります。ご飯を食べたくないとか、着替えたくないとか言ったりもするかもしれません。

でも、いつも通りの時間に起こして保育園に来てください。どんな状態でも保育園は受け入れます。保育園に来ると案外子どもは保育園モードになりケロッと遊び出すことが多いです

ベストな寝かしつけ方を見つける

子どもによって心地よくなる場所は違います。保育園でも最初はさまざまな方法を試し、それぞれに合った入眠方法を見つけ出します。例えば以下のような方法があります。

  • 頭や顔(特に眉毛や眉間)を撫でる
  • お腹や背中を一定のリズムでトントンする
  • 手や足裏、ふくらはぎをマッサージする

眉毛や眉間を優しく撫でると自然に目を閉じることが多いです。また、眠くなり耳や頭を掻く子には、掻いている部分をかわりに撫でます。お腹や背中を呼吸のリズムに合わせてトントンと叩くのも効果的です。その時、反対の手で頭や顔、足などを撫でるダブル使いもおすすめです。

たまに、トントンを嫌がる子がいます。そんな時は手や足をマッサージします。特に決まりはありません。優しくなでなでするだけです。

大人がゆったりとした気持ちで触ると落ち着いて眠ることができる気がします。

寝かしつけの最中に元気すぎて動き回ってしまう子がいるかもしれませんが、電気を消し、今は横になる時間だとわかるようにしましょう。

ただし、大きくなってくると一人でさっと布団に入り寝る子もいます。一人で寝られる子はそっと見守るだけで大丈夫です。

子どもに合わせて最適な方法を見つけてみてください。

夕方に体や頭を使う遊びをする

もし夕方のお迎えであれば、保育園からの帰りに公園や家の前で遊んだり、自宅に戻ってからパズルやお絵描きをすると満足感や疲れで寝やすくなるかもしれません。

体を動かすのが好きな子や頭を使うほうが好きな子、手先を使うのが好きな子など、子どもによって満足感を得られる遊びは違います。

同じ子どもでも日によってやりたいことが違ったりしますし、時間帯によってできることは限られますが、その時にできる遊びを楽しみましょう。

寝る前は激しい遊びをしない

全身を使ったダイナミックな遊びは大人も子どもも盛り上がります。

盛り上がってすぐの大興奮状態で布団に入っても脳が活性化されなかなか眠ることができません。

寝る直前の激しい遊びは避け、夕方に行うようにすると適度な疲労感と満足感で寝やすくなるかもしれません。

寝る前のルーティンを決める

おもちゃを片付ける→絵本を選ぶ→布団を敷く→絵本を読む→電気を消す→布団に入って寝る

というように一連の流れを決めておくと、今から寝る時間だとわかりやすくなります。

また、1歳ごろになると、だんだんできることが増えてきますので、寝る前の絵本を自分で選ぶ、布団を自分で敷く、電気を自分で消すなど、自ら行うことで今から寝るということをさらに意識できます。まずは一緒に行って、だんだんと一人でできるようにしていきましょう。

寝る時間は、シャッターや雨戸を閉めたり、遮光カーテンを使用したりして部屋をできる限り暗くしてください。また、温度湿度管理を行うと快適に睡眠できます。

保育士に相談する

連絡帳に就寝時刻・起床時刻が記入してあれば、いつ寝たのかいつ起きたのかがわかります。ただ、記入しない園もたくさんあります。そのような時は、睡眠で悩んでいることに保育士は気がつきません。

「最近夜なかなか寝なくて困っているんですよね〜。」と言ってもらえることで対処できることがあります。

「こんなこと言ったら保育士に嫌がられるかな?」と思うかもしれませんが、保育士は家での様子を知りませんし、親は保育園での様子を知りません。お互いに、様子を共有し合うことで子どもの今まで知らなかった部分が見える場合があります。

ぜひ気軽に相談してくださいね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。子どもにお昼寝が必要な理由は、生活リズムを整えるためと日々元気に過ごすためです。

子どもが寝ない理由としては、保育園での昼寝の長さ、保護者の生活習慣や日中の刺激の強い保育内容、ゲームやスマートフォンの影響があげられます。

子どもが寝ないときの対処法として、まずは生活リズムを見直し、子どもに合った寝かしつけ方法を見つけてみてください。寝る前の激しい遊びは御法度です。また、寝る前のルーティンを決めると寝る気持ちになりやすいかもしれません。

それでも寝ない時は、ぜひ保育士に相談してください。

家での様子を教えてもらった方が保育園で対応をしやすくなりますので、気になることがあれば気軽になんでも教えてくださいね。

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